EDは、男性だけの悩みではありません。
パートナーのEDで悩む女性は少なくありません。
そして、その悩みは、決して性的な欲求が満たされない悩みではないのです。
パートナーがEDかも?
そう思った時に「EDじゃないの?」と口にする女性は稀でしょう。
酔っ払っていて、途中で萎えたりした時。そんな時に「EDかもよ~?」と軽く口にすることはあるかもしれません。それは、本気でEDを疑ってるわけではないから言えるんですね。
けれど、頻繁に中折れしたり、じゅうぶんに勃起せず挿入に至らないセックスが続くと、さすがに女性も「本当にEDかも……」と心配し始めます。
そうなると、軽く「EDじゃないの~?」なんて口にできなくなってしまいます。
EDがデリケートな問題であることは、女性だってわかっているからです。
わかっているからこそ、どう言葉をかけていいのかわからない、どんな態度でいればいいのかわからない。
この、
「どう接していいのかわからない」
というのが、女性の悩みの根幹になります。
女性は自分を責めがち
EDに悩む男性は、パートナーと真摯に向き合わない傾向があります。
途中で萎えてしまったり、射精できなかったりすると、「疲れてる」「飲み過ぎた」などと言って寝てしまう。
一度や二度なら、そういうこともあるよねと、女性はさほど気にしません。
でも男性は、一度、二度でも、相当に気にすることが多いようです。
若くしてEDになってしまう人は、日頃から強いストレスを感じていたり、真面目な性格であることが多く、一度二度のセックスの失敗であっても、自信を喪失するきっかけになります。
セックスの失敗がさらなるストレスとなって、EDを悪化させることにもなりかねません。
一度、二度の失敗が心理的なストレスになり、パートナーを誘わなくなる → いつしかセックスレスに。
というのが、よくある図式です。
そうなった時、女性は自分を責める傾向にあります。
「私に魅力がないのかな?」
「飽きられたのかな?」
誘われなくなった女性は、そう思ってしまうのです。役立たずだとか、したいのに、なんてことは思いません。
男性は、自分のEDに関して、パートナーから突っ込まれることを嫌います。
EDのことは触れられたくないし、あれこれ訊かれるのもイヤでしょう。なので、パートナーとの接触からして避けてしまいがちです。肩を抱いたりキスをしたりすれば、自然な流れでベッドへ…となるので、セックスの前段階であるボディタッチから敬遠してしまう。
それが女性には「逃げてる」ように見えてしまうわけです。
その逃げの態度が「私はダメなんだ……」と女性に自分を責めさせてしまうのです。
パートナーのことがイヤになったのなら、向き合う必要はないかと思いますが、好きな気持ちがある、別れたくない、そう思うなら、パートナーとEDの悩みを共有するほうがいい。
……とはいえ、「おれ、どうもEDみたいやねん~」なんて言えるタイプなら、ごく軽度のEDにしかならないように思います・笑
そんな、あっけらかんとした気持ちや態度でいられないタイプの人が、ストレスや疲労をため込み、EDに悩み、パートナーとの関係もぎくしゃくし始める、それがさらに心理的な負担となり…の悪循環に陥るんですよね。
性的に満たされたいのではない
EDに悩む男性は、パートナーにじゅうぶんな性的満足を与えられないと思う気持ちと、男の沽券が的な気持ちが混在しているように思えます。
こちらの記事--勘違いしてませんか? セックスのこと–にも書きましたが、女性は別に激しいセックスを求めているわけではありません。
食事や会話を楽しむのと同じように、コミュニケーションのひとつとして、セックスを位置づけています。
EDからセックスに対して逃げ腰になっている男性は、とかく他のコミュニケーションにも消極的になりがちです。
「なんか悩んでる?」とか訊かれたらイヤだな、困るなとか。そんな気持ちが奥底にあるのでしょうか。なんとなく後ろめたさみたいなものを感じてるのでは? と思うことがあります。
人間誰しも、触れられたくない問題を抱えている時には、人との関わりが煩わしくなります。小学生が学校で友達とトラブルがあった時などに、親と目を合わせるのを避けるような、そんな感じでしょうか。
表面的には普通に接しているつもりでも、どこか心が避けている感じ。
そういったものを女性は敏感に感じとります。感じとり、心を開いてくれていないと思ってしまう。
それが女性に寂しさを感じさせたり、私じゃダメなのかなと自分を責めさせたりするのです。
けっしてセックスができないことで肉体的に不満を抱いてるだけではないのです。
それよりも、きちんと向き合ってくれないことに対して、寂しさや不安を感じていることの方が、ずっと多い。
煩わしさから逃げない
「別にセックスレスでいいし」
そんな考えもあるでしょう。
とくに、「パートナーだけED」だったり、「自慰ではいける」場合だと、ある程度性的な満足は得られているので、今さらパートナーと向き合うのも面倒だと思ってしまうでしょう。
けれど、そういった「波風立てずにやり過ごす」考え方は、大袈裟なようですが、生き様にも影響すると私は思っています。
きちんと向き合い、どうしたいのかを考えることは、生きていく上でも必要なことです。
パートナーだけEDなら、パートナーに対する自分の気持ちをしっかり見つめる。パートナーに拒否されたことがきっかけになっているのなら、パートナーの気持ちを確かめる必要があります。話し合ってみたら互いの誤解や思い込みだったということもあります。
はっきりさせて、互いに思う気持ちが失せているとわかったなら、関係の解消もありでしょう。(とくに女性が妊娠を望んでいるのなら、解消は早いほうがいいです)
自慰ならいける場合も、なぜ生身の女性相手ではいけないのか、原因を考えてみる。体の持久力に問題があるのなら、適度な運動をして体力をつける必要があるし、自分のほしい刺激だとかフェチが明確なら、それをパートナーに伝えてもいいと思います。
腹をくくる
「逃げの姿勢」の対極にあるのは、「腹をくくる」です。
「胆力がある」「肝(胆)が座っている」という言葉もあります。
この「腹」は,下腹部、丹田を指します。
丹田は体の中心で、精を蔵するところでもあります。経穴(ツボ)では「関元」。気を補うのに欠かせない経穴です。
“関元に灸3壮で、男子元気となる”ので、ED治療にも常用しています。
丹田は体の中心でもあるので、ヨガや腹式呼吸では必ず意識されるところで、ダンスやウォーキングなど体を動かす際にも、意識されることが多いところです。
ここに力がないと、意志や根気などの心の活動が消極的になる傾向があります。意志が弱くなったり、根気がなくなったりする。
煩わしさを避けるといった逃げの姿勢は、丹田の力が弱くなっているのと関連しています。
そして丹田の力の弱さは、EDの症状がある人にもよく見られる状態なのです。
できれば目を逸らせていたいことに向き合うのは、煩わしく面倒です。
やり過ごそうと思えばできなくもないだけに、よけいに煩わしく感じると思います。
これ1本で元気100倍! みたいな即効性のない鍼灸は、即座に結果を求める現代の風潮においては、面倒で煩わしく物足りないかもしれません。
けれど鍼灸は本質的なところへ働きかけるので、その場しのぎの対処を繰り返すのとでは、数年後に大きな違いが出るはずです。

