薬が効かない? ~ED治療薬が効かない原因と対処法~

2016年03月04日

    ED治療の選択肢で、1番に上げられるのはED治療薬の服用です。
    ところが、「薬を飲んでも効果が現れない」と言う方も、いらっしゃいます。

    治療薬が効かない原因と、対処法について、考えてみましょう。

    ED治療薬が作用するしくみ

    ED治療薬は、ざっくり言えば、

    「陰茎海綿体へ血液を送れるようにする」

    そのための薬です。

    陰茎海綿体へ血液を送る動脈は、ふだんは直接静脈に注ぐようになっていて、陰茎に行かないようになっています。

    それが性的刺激などで勃起神経が刺激されると、ふだんは閉じてる「らせん動脈」が開き、陰茎に血液を送り込みます。

    「らせん動脈」を開くのは勃起中枢で、この勃起中枢は副交感神経です。
    (つまり、勃起は副交感神経によっておこるものです)

    EDは、陰茎海綿体へ血液が流れない状態です。
    その状態を改善する(=血液が流入するようにする)のが、ED治療薬です。

    ふだんは閉じている「らせん動脈」を開くのは、性的刺激を受けた際に分泌される物質(環状グアノシン一リン酸)です。

    この物質の分解を行うのが、5型ホスホジエステラーゼという物質です。
    らせん動脈を開く物質が、5型ホスホジエステラーゼによって分解されると、陰茎に血液が流れ込めません。

    ED治療薬は、5型ホズホジエステラーゼがはたらかないようにする「クエン酸シルデナフィル」という成分を配合し、陰茎へ血液が流れ込むようにしたものです。

    ですから、性的刺激がない状態では、作用しないようになっています。

    効かない理由として、考えられるもの

    薬を飲み、性的刺激も受けた。
    なのにじゅうぶんに勃起しない=効果が現れない。

    その理由は、いくつか考えられます。

    1・基礎疾患がある
    糖尿病 循環器系(心臓など) 神経障害 など、なんらかの病気がある場合。

    2・謝った服用方法
    ED治療薬は、空腹時に飲む方が効果が高いといわれています。
    また、当日は脂肪の多い食事を控えるなど、いくつかの注意点もあります。
    自己流で飲まず、処方に従いましょう。
    (処方される際に、注意点などをしっかりと聞いておく)

    3・薬が合わない?
    何回か試しても効果が現れない場合、別の薬を試してみるというのも、いいかもしれません。

    4・体力、メンタルの問題
    挿入はできても、射精まで体力が持たない。
    性欲があまりない。刺激されても気が乗らない。
    強いストレスがある。

    基礎疾患がないのに疲労感が強かったり、性的刺激を受けても気が乗らないと、効果が現れにくくなります。

    対処法はあるのか

    上記の 1,2,3 は、きちんと病院に相談すること。
    基礎疾患がある場合は、治療を。
    ED治療より、そちらを優先してください。
    服用方法や薬との相性の問題は、病院に相談して、正しく飲む、違う薬を飲む、などの対処を。

    4の場合は、生活の見直しが必要になると思います。

    運動や食事のバランス、睡眠など、まずは体力をつける。

    性的な刺激への反応が弱いのは、ホルモンバランスの影響があるかもしれません。
    不規則な生活などは、ホルモンバランスを崩す原因となります。

    またストレスは自律神経に影響します。
    強いストレスは体を緊張状態(交感神経優位)にするので、副交感神経である勃起神経がうまく働けません。

    ストレスの原因を取り除くのがベストですが、なかなか簡単にはできないことも多いでしょう。
    仕事の忙しさがストレスの原因とわかっていても、今すぐ仕事を辞めるにはいかないでしょうし。

    緊張状態の体をほぐすのに、軽い運動をしたり、じゅうぶんな睡眠をとるなど、
    できるだけリラックスできるように心がけで。

    鍼灸治療での可能性

    ED治療薬が効かない場合、鍼灸に可能性はあるでしょうか。

    基礎疾患がある場合は、病院でのきちんとした検査や治療が不可欠です。
    鍼灸にもさまざまな効果があり、HbA1cが下がったり、四肢の痙縮が緩和したりの事例はあります。
    (きちんとしたデータやエビデンスはありません)
    基礎疾患にまったく無効ではないのですが、自身の状態をちゃんと知っておくためにも、病院での診察は欠かせないでしょう。

    体力や精神面に問題がある場合は、鍼灸は有効だと思います。

    全身の血流が良くなること。
    こわばった体を緩める作用があること。
    ホルモンバランスや、自律神経系に作用すること。

    うつ症状や不眠に、鍼灸は効果があります。
    また、消化吸収を良くするなど、内臓への働きかけもできるので、
    摂った栄養素を効率よく吸収できる体にすることができます。

    じっくりと向き合っての施術になるので、カウンセリング的な要素も含んでいます。
    相談というより雑談といった感じに、日常のこと、仕事のことなど、あれこれ話し、
    その中に改善・解決の手がかりをみつけることも、よくあります。

    鍼灸師は、全体を見ます。
    今、現れている症状は、決してその部分だけに原因があるわけではないからです。

    たとえば腰痛であっても、腰だけに原因があるわけではありません。
    足首や首の影響からのものもあれば、ストレス起因のものもあります。

    ですから、ED=海綿体への血流不良 という単純な図式では見ません。
    現象としてはたしかに血流不良なんですが、その血流不良を引きおこしているものはなにか?
    血流不良の元になっているものがAだとしたら、そのAの元は?
    といった風に考えます。

    そして、原因というのはたいていの場合、複合です。
    いろいろな要素が絡まり合って、症状となって現れます。

    だから、全身治療になるのです。

    終わりに

    治療薬の服用は、ED改善に即効性があります。
    数回、治療薬の力を借りてセックスに成功し、その後、治療薬なしでも大丈夫になったなら、鍼灸は必要ないと思います。

    けれど、薬なしではセックスができない場合、特に若い人の場合は、
    もっと根本的な部分、自分の体ときちんと向き合うことを考えてほしいと思います。

    老化というには早すぎる年齢、30代や40代で、治療薬を常用しなければならないのは、明らかに問題があると言えるでしょう。

    将来の被介護リスクを避け、重篤な疾患を防ぐためにも、
    今、きちんと向き合うべきだと私は思います。

    セックスができるかどうか だけを基準に考えるのには、その場しのぎの安易さを感じてしまうのです。