鍼灸って言葉は知ってても、実際はどんなものなのか。
よく知らない、わからない人が多いと思います。
「なんか、効くらしい」
「腰痛とか肩こりにいいらしい」
「でも、なんか怖い」
これが一般的なイメージではないでしょうか。
ここでは、鍼灸治療の内容について、ざくっと説明します。
大きく分けると2タイプ
鍼灸治療にも、いろいろなやり方があります。
まず、大きくはふたつに分かれます。
『西洋医学寄りの鍼灸』と『東洋医学寄りの鍼灸』
このふたつです。
「解剖学や運動学からアプローチする鍼灸」(西洋医学寄り)と、
「気血水、五行陰陽説、経絡などからアプローチする鍼灸」(東洋医学寄り)
(西洋医学、東洋医学という言葉は、厳密ではないのですが、便宜上、使用します)
ものすごく大ざっぱに言うと、
痛む部位の筋肉や支配神経、関連する関節などからどこに鍼をするかを考えるのが、「西洋医学寄り」の鍼灸。
痛む部位がどの経絡に属するか、また体や症状が虚が実か、そういう見方をするのが、「東洋医学寄り」の鍼灸です。
「東洋医学寄り」の方は、なんのことか、さっぱりわかりませんよね?
経絡とか、虚とか実とか、まるで馴染みのない考え方なので、とてもわかりにくいと思います。
そして、この考え方が理解できない鍼灸師も、たくさんいます。
理解できなくても、肩こりや腰痛など、いわゆる疼痛治療は問題なくできることが多いです。凝ったところ、痛むところに鍼やお灸をすれば、効果があります。筋肉を緩めたり、血行を良くすることができます。
また、胃痛や便秘など、こりや痛み以外の治療でも「定番のツボ」というのがありますので、東洋医学を理解していなくても、なんとかなります。
なので、「西洋医学寄り」の鍼灸の方が一般的というか、やっている院が多いように思います。
多くの人が持っている「鍼灸」のイメージはこちらだと思います。
でもこれは、本当に、ものすご~~~~く大ざっぱな分け方で、100人の鍼灸師がいれば100通りのやり方があります。
「西洋医学寄り」であっても、東洋医学の考え方を取り入れていることもあれば、「東洋医学寄り」でも解剖学から考えることもあります。
鍼灸ってなにに効くの?
WHOが鍼灸が適応するとした疾患には、このようなものがあります。
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かなり範囲が広いですよね。
運動器系疾患ぐらいしか適応がないと思っている方が、多いのではないでしょうか。
怖いというイメージ
鍼灸治療を受けたことがない人は、たいてい開口一番、こう言います。
「怖い~」「痛そう~」
鍼を刺す、という言葉から、注射をぷすぷすされるようなイメージに繋がるみたいですね。
治療に使う鍼は、注射針よりかなり細いものです。
私が主に使っているのは、1番という太さのもの。直径が0.16㎜です。

上が鍼、下はシャーペンの芯です(0.5㎜)。
鍼の左側(太くなっているところ)は、持ち手のようなもので、尖端は右側です。
写真ではわかりにくいですが、鍼の太さはだいたい髪の毛ぐらいか、髪の毛よりも細いぐらいです。
痛いか? というと、ほぼ痛くないはずです。少しちくっとすることもありますが、刺入時に刺されたと感じないことも多いです。ただし、「痛い」とは違う感覚はあります。刺される痛みではなく、体の内側で感じるもの、“響く”と表現しますが、じんわり拡がる感じだったり、うぉ~となる感じだったり、痛みとは違う感覚があると思います。
「怖い」というイメージは、鍼を刺すという行為が、体に傷をつけられるように思われるからでしょうか。体の内側は見えないので、見えないところになにかされる感覚もあるのでしょうか。
鍼灸師は、人の体に鍼を刺したり抜いたりします。見えない内側にはたらきかけます。なので、解剖学の知識が必須です。
鍼灸師になるための勉強は、ツボとかを覚える勉強、と思われていますが(笑)、実際には解剖学・生理学・病理学などの基礎医学がほとんどです。ですから、今ふれている部位にどんな筋肉があり、神経があり血管があるかなどを知っています。決して感覚だけでふれているわけではないのです。
なぜ効くのか?
鍼灸治療は自律神経系に作用し、血行を良くすると言われています。
とはいえ、実際にはきちんとしたエビデンスがほとんどありません。なぜ効くのかをきちんと説明することは、難しいです。
また、自律神経に作用し云々では説明しようのないものも多くあります。
たとえばぎっくり腰に腕にあるツボを使ったり、耳鳴りに脚のツボを使うなど、なぜ効くかの説明はできません。(陰陽五行に基づいた理論はあるのですが)
「プラセボである」と結論された研究もあります。
鍼灸師の技量差も大きく、治療の形態(直接肌にふれる・1回の施術にそれなりの時間がかかるなど)から、心理面に与える影響も大きいので、きちんとエビデンスをとるのは難しいでしょう。
ですから、似非科学だと言われてもしかたのない面はあります。
けれど、実際に効果があるのを経験(受けた施術、見た施術、した施術において)している者としては、
「なんかわからんけど、とにかく効く」
としか言いようがありません。
以上、ざっくりと、大ざっぱに解説させていただきました。
鍼灸師の私としては、やはり、一度は施術を受けてみて、と思います。
「怖い」というイメージだけで敬遠しないでほしいなと思うのです。
ただ、現実として、痛いわ効果はイマイチだわの治療しかできない鍼灸師も、いるにはいるのです…苦笑
(これは鍼灸師に限らず、どんな業種でも言えることだと思います)

